前回の続きです。
ホテル
初日は日曜日で寮に入れなったのでGoldener Löweに宿泊しました。クラシックな感じで快適でした。朝食のパンは取り放題でおいしかったです。(全体的にオーストリアはパンがおいしいですが)


オリエンテーション
初日にオリエンテーションがあり、全員で集まって学長のお話を聞きます。全員で50人ほどの留学生は7割程度が西洋人で、残りの3割がアジア・中東系でした。途中自己紹介でグループを作る場面があり、自然と英語が上手い西洋人(東欧、南米含む)のグループとそこまで上手くないそれ以外のグループに分かれて行っていました。
授業の出席(3割欠席で単位出ないとか)に関してや、学生コミュニティ?のÖHの案内があったりしました。
ここも含めて思ったのは、語学力の差がコミュニティづくりに直結しているという事です。一人英語がネイティブ並みに上手い台湾人がいたのですが、その人は西洋人のコミュニティにも入れていました。また文化的な違いもあってそれぞれの文化圏は自分たちで固まりがちでした。
自分はもちろん英語が上手くないので交友関係はあまり広くありませんでした…。
バディ制度
バディ制度では、事前に送られてきたメールに申し込むと、現地の学生と「バディ」を組むことができます。実際に何かをしなくてはいけない訳ではないのですが、連絡先を交換して困ったときに相談したり遊びに誘ったりすることができます。
バディの人は漫画とアニメが好きなドイツ出身の好青年でした。日本人だからというのもあるのでしょうか?アニメをこれまで80以上見ていると言っていましたが、日本人なのに知識の差に圧倒されました…。ジャンプ系が好きで、深夜アニメの方は見ないそうです。
そのバディの車でキーム湖(後述)に行かせてもらったりしました。
ちなみに申し込み時に同性か異性かの希望を伝えなければならないのですが、異性を希望した友達は挨拶をしてもそのバディからの連絡が返ってこなかったそうです。泣
German Language Beginner
ドイツ語は唯一、毎週月曜午前に定期的にある授業でした。教科書のコピーが配られ、その教材の映像を見て、テストで発音や文法を確認するという日本の語学の授業に近い感じでした。
授業の学習はどれも基本的に自習ベースで、説明があって宿題や課題が出されるのでその範囲を自分で勉強してテストや課題に備えるという流れになっています。
実際にはドイツ語の前に英語を学習しなければならないのでこの授業は力をあまり入れていない人が多かったと思います。この授業に限らず単位認定はそこまで厳しくないので、規定数出席さえしていれば落とされることはめったにないのが救いです。
Digital Media and Web
その名の通りWebとデジタルメディアに関する授業です。HTTPやRESTなどWebの概念やJPEGなどのメディア形式についての基本的な説明からVRやNFTなど最近のトレンドについてを学び、最終的にはHTMLやJavascriptを駆使してグループで作品を作り、発表するというものでした。
もちろん時間は限られているので、初心者にはかなり難しい課題だったと思います。それぞれの班で一番プログラミングができる人がまとめて、そのほかの人は発表資料を作るみたいな感じでした。
Austrian Culture and History
その名の通り、オーストリアの文化と歴史を学ぶという授業で、課外学習としてクーフシュタイン城、インスブルックやザルツブルクに行き、そのレポートを書くというものでした。
ちなみにクーフシュタイン城は13ユーロの入場料がかかりますが、クーフシュタインチロル応用科学大学の学生であれば無料で入れます。割と広く、すべて見ようと思ったら半日かかると思います。




















遠足だけかと思いきや意外に歴史などのテストの内容が難しく、再テストを受けることもありました。
Kufstein Arena
街の外れにあるスポーツ場です。アイスホッケー場、バスケットボールコート、サッカー場が併設されています。よく夜に太鼓をたたくような音が外から聞こえるのは、アイスホッケーの試合がここで開かれているためです。昼間は有料で利用できるようです。



キーム湖
ドイツ側にある湖で、湖の中にあるヘレン島には建築と音楽に浪費したことで知られるルートヴィヒ2世が建てたヘレンキームゼー城があります。湖もヘレン島も広く、自然の中でゆったりとした時間を過ごすことができます。
ヘレンキームゼー城の内部は壁のマーブルや装飾といい豪華の限りを尽くしたような作りで感動しました。画像や動画で見るよりも実際に訪れるとより荘厳に見えます。









ティーア湖
ティーア湖はクーフシュタインの西にある湖で、見晴らしのいい景色と高級そうな住宅が見どころです。牧場もあり、牛がちらほらいます。クーフシュタインからはハイキングスポットとしてアクセスしやすいです。



セルビア
ライアン航空で往復チケットが32.6ユーロと安かったので、留学を開始してから一か月もたたない内にセルビアのニシュに旅行することにしました。
この旅で最も高かったのがウィーン国際空港へのアクセスで、ÖBBで97ユーロかかりました。他は宿代は40ユーロ、食費が50ユーロかかり、諸費を合わせると220ユーロで2泊3日の旅行ができました。






ライアン航空は航空券が安い代わりに手数料を取ろうとしてくることで有名で、席の選択や案内用紙の印刷忘れ、最近はいらないかもしれませんが「ビザチェック」忘れなどで高額な手数料を取られてしまいます。また、航空便の遅れも多いので十分に時間に余裕を持って利用したいです。
ニシュ・コンスタンティヌス大帝空港は小規模な空港で、セキュリティチェックも最小限で入ることができました。ニシュ市内へはバスかタクシーで行けます。セルビアの通貨はディナールで、国外の換金所ではあまり扱っていません。ですがバスは現金が必要なので、空港のATMで400ディナールほどの手数料で引き出すしかありませんでした。バスは80ディナールと非常に安いです。
宿では管理人が出てこないトラブルがありましたが、何とか部屋に入れました。ベランダがあり、設備もそろっていて過ごしやすい感じでした。夕食のチーズバーガーは490ディナールでポテトフライが入っていておいしかったです。ミリンダはファンタみたいな味でおいしかったですが、お菓子の方はもそもそであまりおいしくなかったです。
ニシュ要塞









ニシュ要塞は、18世紀に作られたニシュの中央にある要塞の跡地です。立派な門があり、中は公園になっています。オスマン帝国時代の火薬庫の展示や植物園もあります。基本的にはただの公園なので見るところは少ないですが、雰囲気はいいです。
公園内に限らず、街中には多くの野良犬がいます。最初はびっくりしましたが、歩いているうちに慣れました。
ニシュ強制収容所









ナチスドイツによって建てられた収容所で、ユダヤ人含む3万人が収容されていました。部屋の展示もあり、中には有刺鉄線が敷かれた部屋に数人で詰め込まれたとの説明がありました。
中に入るのに300ディナールかかります。
ブバニ記念公園



前述の強制収容所にいた人たちは、1944年にこの丘の上で射殺されてしまいました。その数は1万人を超えるとされています。公園内には抗議の意を表する巨大なモニュメントと記念碑がありました。
この公園はバス停の駅から遠く、道中に結構きつい坂があるので行く際は要注意です。
セルビアでの食事




セルビアは料理がおいしく、チェバピ(棒状)やプレスカピッツァ(円形)などの肉料理が多いです。味はどちらも同じで、スパイスを入れたハンバーグみたいな感じです。実はレストランで食べるよりも露店で売ってるプレスカピッツァとパンの方がおいしい気がします。
サラダも種類が多く、その中でもトマトやキュウリの上にチーズをかけたショプスカサラダが有名です。しかし今回食べたものはチーズが塩漬けにしたように塩辛く、食べるのに苦労しました。
最後にFamilys Foodで食べた”pasuli tavce sa kobasikom”は豆とウィンナーを煮込んだもので、やはりこちらも塩辛く、パンが進みました。
飲み物はローカルな柑橘系のジュースが多く、その中でもReMix Knjazのピーチ味がオレンジの程よい酸味とピーチの甘みでおいしかったです。
その他






中央の通りは人でにぎわっていますが、ショッピングモールは空いている店も少なくあまり活気がありませんでした。夜になっても治安は良いようで、お年寄りや子供が出歩いているのをよく見かけました。
雑貨屋は小さい電気屋は町中にありますが、ダイソーのような雑貨屋として中国製品店があります。”Robna Kuca Sangaj“では、USBケーブルが300ディナールほどと電気屋よりも安価に買うことができます。また怪しい感じのするおもちゃや電卓も売っています。



ニシュは小さい街で、全体的に古い感じがしましたが、人が優しく食べ物もおいしいので安くなっていれば留学中の旅行にいいと思います。
帰りの便も大幅に遅延して、電車の終電ギリギリになりながらもなんとか寮に戻れました。ライアン航空を使うなら時間には余裕を持ちましょう。
食事
外食は日本と比べてかなり高いです。学食やフードコートで8ユーロ、レストランでは15ユーロ程度出す必要があります。クーフシュタインは観光地なので、他の場所に比べるとレストランは高い印象です。





その中でも比較的安いのがピザとケバブで、前者は12ユーロ、後者は6ユーロ程度で食べることができます。イタリアに近いこともあってか、どちらも日本より格段においしいので機会があれば食べてみてください。自分が食べた中ではLa Cruscaのピザが一番おいしかったです。
ギリシャ料理はおいしいですが何故か塩辛かったです…。
また、ちゃんとしたレストランに行くと料理のサイズがかなり大きく、食べきれないぐらい出ることが多いです。現地の人は無理に食べきるのではなく、それぞれがお腹いっぱいになった時点で残してお会計をします。
自炊









外食は高い一方、LidlやSPAR、Hoferなどディスカウントストアを使って自炊すれば日本より少し高い程度で抑えることができます。また、ハム、乳製品や瓶詰のソースなど一部の品物は日本より安かったり、セールで3割引きなどがあるので、うまく使えば日本と同じような物価感で食事できると思います。
特に良かったのはジェノベーゼパスタとソーセージでした。瓶詰めのパスタソースは美味しくて安い(3食分で1.6ユーロ)ので結構な頻度で食べていました。ソーセージは様々な種類があり、焼いてサラダと並べるだけで食事になるのでこれも手軽です。ドイツ語圏なのでソーセージのこだわりが感じられる、風味の強いものが多かったです。
瓶詰めのパスタソースは各スーパーでPBのものがあり、だいたいジェノベーゼ、カラブレーゼ、Pesto Rossoが置いてあります(Hoferはこれに加えてジェノベーゼのマイルド味)。カラブレーゼはパプリカ、チーズと唐辛子を合わせた味、Pesto Rossoはそれに加えてドライトマトとスパイスが入っています。自分的にはSPARのジェノベーゼ>Hoferのジェノベーゼのマイルド味=Lidlのジェノベーゼ>その他という感じでした。
ハムの種類も生ハムなど色々あり、朝食はハムサンドをよく作っていました。サンドに使うマヨネーズは脂肪が25%か75%のものがあり、日本のものに近いのは後者です。前者は水っぽくとても食べれたものではありませんでした。
日本やアジアの食材は種類が少なく、あっても割高なのでほとんど作りませんでした。
スーパーの食べ物





寮の近くに3種類あるスーパーの中で、Lidlが安くてお気に入りでした。その中でもエナジードリンクや水、ビールは日本より安かったです。ビールは特に種類豊富で、0.6ユーロのものもあれば2ユーロのものもあります。エナジードリンクはKong Strongというエナジードリンクが安くてよく飲んでいました。味はモンスターエナジーに似ていますが後味がより粉薬っぽいです。菓子パン類は美味しいですがたまに激甘だったりします。
日本にはないものとして、多種多様なチーズやハムがありました。それぞれそこまで高いというほどではなく、ビールと食べるのにちょうどいいと思います。パプリカ味のポテトチップスはバーベキュー味にパプリカパウダーを振りかけたような味がします。
交通
街の外へは電車(ÖBB/DB)で行くしかありません。チケットは券売機で買う他、スマホのアプリからも購入できます。ドイツ・オーストリア共通で改札はありませんが、電車内でたまに行われる検札で有効なチケット(QRコード)を出せないと罰金を払うことになります。国境付近にはこれに加えて警察からのパスポートチェックもあります。
街の中は市街地なら自転車、山間部ならバスを使うことになります。クーフシュタインでは、レンタル自転車のVVT Regioradをnextbikeというアプリ経由で使うことができます。これには学生料金があり、クーフシュタインの学生であれば一回30分以下の乗車は無料となっているので、基本的に移動はこれでしていました。


冬場はロックが凍り付いていたり、不具合で乗車を終了できなかったりしますが、nextbikeから問い合わせればすぐに対応してくれます。指定された駐輪場以外のところでも何故か乗車を終了できますが、これをしてしまうと(2回目から)罰金が科せられるので注意してください。
11月に続きます。