Herokuの発表によると、今まで学習用に無料プランを提供していたのを廃止するとのことです。
終了理由
Our product, engineering, and security teams are spending an extraordinary amount of effort to manage fraud and abuse of the Heroku free product plans.
Bob Wise, Heroku General Manager
記事では、可用性やセキュリティの革新が顧客から求められているとした上で、無料プランの不正利用に多大なコストを掛けてきたとしています。端的に言えば、無料プランの維持が割に合わなくなってきたという事でしょう。
これはある意味当然の判断のようにも見えます。Free Planは30分間アクセスがなければスリープするようになっていましたが、それを回避する方法が出回り、月ごとの時間制限はあるものの(クレジットカード登録で)1ヶ月間スリープなしで起こしておく事ができていました。また独自ドメインも利用できたため、Webサービスを作るのに使われることも多かったのではないでしょうか。
以前にここでMinecraftサーバーを無料プランで動かす事例を扱ったように、サーバー用途にはスペック的にも十分でした。
しかしこれがサービス終了の一因となったのではないでしょうか。AWSに月額10ドル払っても達成できないスペックを無料で提供し、ユーザーに課した制限も回避されるとなってはコストが掛かりすぎたのでしょう。
代替サービス
いくつか似た条件のサービスがあります。
Render
RenderはHerokuとよく似た、というかほぼ同じ無料プランを持つサービスで、Herokuと同じように無料のPostgreSQLサービスも提供しています。問題はHerokuの代替としてRenderが定番になった場合、無料プランを維持する事ができるかという面でしょう。そうなれば他のPaaSに移行するだけと言えばそうですが……
Google App Engine
こちらはGoogleのPaasで、クレジットカードの登録でAlways Free枠としてF1インスタンスが無料で利用できます。性能としてはHerokuの半分程度です。ただ設定を間違えると高額請求が発生したり、Googleなので突然サービス終了する可能性もあります。
Azure App Service
Azureでも同様のプラットフォームに無料枠があります。スペック的にはいい感じですが、一日のCPU利用時間などに細かい制限があり、利用者の規模によっては途中でサービスを提供できなくなってしまいます。これだとWebアプリの利用者が多くなれば確実にお金を取れるので安定していそうです。
もしくは・・・
Webサービスが読み取り専用のデータベースや文章ジェネレーターなどであれば、GitHub Pagesなどで静的ページとして作っても良いかもしれません。
Herokuに月額7ドル支払うぐらいであればDigitalOcean DropletなどのVPSサービスを利用するのも手かもしれません。手軽さはなくなりますが、その分自由な上、月額4ドルから始められます。