1ドルからの3Dプリントサービスを使う

3Dプリンターが話題になってからもう5年ぐらい経ちますが、まともな物を買おうとすると3万円程度からとなっていて試しに買うには高すぎます。国内でも3Dプリントのサービスはありますが、ほとんどが企業向けとなっていて小さい物でも6000円程度はかかってしまいます。
そこで、海外の3Dプリント会社を使うことで個人でも払える額でプリントをしようと思います。

JLCPCB

JLCPCBは、中国の会社であり2018年ごろから格安プリント基板の製造会社として有名になっていたようです。2022年に入ってから3Dプリントサービスを始めたようですが、サイト上だと1ドルから作れると書いてあり驚きました。

JLCPCBでは3Dモデルをアップロードするだけで価格が分かるようになっています。試しにアップロードしてみると、大体iPhoneケース程度の大きさなら1.5ドル、ちょっとしたフィギュアで7ドルと価格は使われたフィラメント(プラスチック)の量に比例しているように感じました。

送料も以前は10ドル程度掛かったようですが、今回の注文では国際小包で3.9ドルになっていました。安く頼める中では3種類のフィラメントがあり、それぞれ一つずつ注文したので3つで合計5.77ドル+送料3.9ドルになりました。

なお、支払いにはPaypalとクレジットカードが使えます。Paypalは50円ほど手数料が掛かった気がしますが、プリペイドカードを持っていない場合は安全のためにPaypalで払うといいと思います。

届いた物

左からLEDO 6060、9000R、8000のフィラメントを使用し、価格はそれぞれ2.27ドル、1ドル、2.5ドルでした。

フィラメントごとの違い

安く利用できるフィラメントは、LEDO 6060、9000R、8000の三種類があり、全てSLA(光造形)方式で作られます。家庭用のEnder 3などはFDM(押出)方式であり、それと比べるとSLAは高精細で滑らかな印刷ができる反面、太陽光による劣化に弱いとされます。

細かい違いについては、FAQに書いてあります。9000Rは耐熱性が46度まででありコストに優れること、8000は同じ46度の耐熱性でありながら耐久性、正確性が上回っていること、LEDO 6060は56度までの耐熱性があり、耐水性があることが特徴のようです。
また最もおすすめ(コストパフォーマンス比が高い)なのは8000であるとも書いてありました。

実物を触って確かめてみると、どれも同じぐらい精度がいいのですが、一番曲面が滑らかなのはLEDO 6060であると感じました。光造型だけあって、半球の部分もスムーズになっています。8000は硬く、耐久性はありそうなものの表面がざらついていて水には弱そうな印象を受けました。9000Rは3つの中では一番薄いためか、柔らかく耐久性も低く感じられます。(実際にiPhoneを入れた際にひびが入ってしまいました)また、ざらつきも感じられ、表面は粉っぽくなっていました。

造形に関する注意点

今回のiPhoneのケースのような形状だと中心が浮き上がるように歪んでしまいます。また、デザインルールによると特殊な形状をした物体(空洞の多い形)は追加料金がかかると書いてあります。追加料金がかかったり、プリント中につぶれが発生するような場所がある場合は英語のメールで連絡が来て、一旦生産が中止するようです。勝手に高額請求されることはないものの、メールを見ていないといつまでも完成しません。英語は片言でも伝わればいいので、それで良いならイエスとでも返信しておきましょう。

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