オンボード音源にASIOドライバーを入れる

Realtekのオンボード音源にASIOドライバーを入れてオーディオインターフェース化します。

オーディオインタフェースとオンボード音源の違い

オンボード音源はPCについているイヤホンやマイク端子のことで、オーディオインターフェースはUR22Cなどの外付けの音声入出力装置を指します。

オーディオインターフェースは何万円もしますが、何が違うのでしょうか?

  • 低遅延
    • オーディオインターフェースはASIOと呼ばれるドライバーを使って低遅延に入出力ができます。
    • オンボード音源でも低遅延なWaveRTというドライバーが標準で付いていますが、ほとんどのソフトが対応していません
  • ギターやマイク用のコネクタとアンプ
    • オーディオインターフェースはXLRコネクタでファンタム電源の必要なマイク、エレキギターを接続できます。
      • また、入力アンプを内蔵し、マイクの音をノイズが少ないまま増幅できます。
  • 高音質
    • オーディオインターフェースは24bitや96kHzなどにのフォーマットに対応し音質が良いとされています。

これらのうち実は低遅延と高音質はオンボードで実現できます。

低遅延

オンボード音源でも低遅延なWaveRTやWASAPI(排他モード)というドライバーが標準でありますが、前者はほとんどのソフトが対応しておらず、後者はそこそこ低遅延なもののASIOより遅延が大きいです。

そこで、ASIOを使うためにASIO4ALLとRealtek ASIO Driverが使えます。

ASIO4ALLはWASAPIなどのラッパーとして動作し、ASIOの機能を提供してくれます。ただしこちらの環境では不安定になることが多く、いったんフリーズすると再起動するまで音が出なくなってしまうので少し使いづらいです。また遅延もそこまで減らせません。

Realtek ASIO Driverはオンボード音源のメーカーが作ったASIOドライバーです。ライセンスなどの理由からか公式には配布されていませんが、Dellなど一部PCメーカーで独自に配布しています。

Realtek ASIO Driverのインストール

DellのRealtek High Definition Audio Driverのページからインストーラーをダウンロードし、exeファイルを7-Zipで開きます。

RealtekHDAudio\ASIO\にあるRTHDASIO.dllRTHDASIO64.dllを取り出しておきます。

Realtek ASIO Installerをダウンロードし、上記のdllと同じファイルに移動します。同じファイルを実行してインストール完了です。

このままでは遅延の設定が大きいままなので、レジストリを編集して遅延を少なくします。
エクスプローラーのアドレスバーにregeditと入力し、起動してから以下のレジストリを編集します。

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Realtek\Realtek ASIO

ここにレジストリ名PreferredSizeをDWORDで2の値に設定します。これはバッファーのサイズなので、再生や録音に問題が出る場合は数を増やしてみてください。

これで遅延は10msとほぼオーディオインターフェースと同じ水準までに減らすことができました。

高音質

オーディオインターフェースでは24bit対応とか96kHz対応とかアピールされていたりしますが、10年前ぐらいからオンボード音源でもそのぐらいのスペックがあります。そもそもCD音質と呼ばれる16bit/44.1kHz以上はあまり違いが判らないと思います。

また、一部のPCはソフトで音質を聞こえやすいように加工している場合がありますが、ASIOを通すことでこれらが無効になりフラットな音質を得ることができます。自作PCのマザーボードなどでハードウェア上でフラットでなくなっている場合はどうしようもありませんが……

マイク

オーディオインターフェースはPC用のマイクで主流のプラグインパワー方式を利用できないことが多いので、単純にマイクの音が小さいというときはAT-MA2GMIC-4467などのマイクアンプを通してオンボード音源のライン入力につなげるといいと思います。

ファンタム電源が必要なタイプのマイクを持っている場合は素直にオーディオインターフェースを買ってください。

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