オーストリアに留学で滞在した場合の入出国関連についてです。
二か国査証免除協定
外務省とオーストリア大使館によると日本人1は査証なしでもオーストリアにおいて6か月以内の滞在が許可されているようです2。一方、在日欧州連合代表部によると日本人はシェンゲン協定締結国内であらゆる180日の期間内における最長90日の滞在を許可するシェンゲン・ビザが免除されています。
オーストリアも、その周りの国もすべてシェンゲン協定締結国です。なので、以下の事が読み取れます。
- オーストリアに90日滞在後、他のシェンゲン協定締結国内に入国することはできない、つまり陸路でオーストリアを出ることができない
- 90日以上の滞在をする場合入出国はオーストリア国内の空港を使う必要がある。
半年の留学の場合、前半にはドイツ、イタリアなどへの旅行ができますが後半はできなくなってしまいます。イギリスやトルコなどシェンゲン協定外の国へはいつでも行くことができます。
大使館に聞いてみた
ドイツの空港経由でのオーストリア入国についてドイツ大使館に尋ねたところ、このような返答を貰いました。
日本国籍者の方に関しましては、乗り継ぎのためのビザは不要となります。
が、ドイツを経由して90日以上の長期に他の国に行かれる場合には、次の国、つまりオ-ストリアのビザ、長期滞在ビザが必要となり、オ-ストリアのビザがありませんとドイツを経由はできません。
一方、オーストリア大使館にビザの発行について尋ねると、以下の返答でした。
オーストリア滞在については下記のご案内をご確認ください。留学目的の場合、観光目的と同じ規定が該当します。
5ヶ月ご滞在の場合、ビザは不要ですので、ビザは発行されません
https://www.bmeia.gv.at/ja/oeb-tokio/reisen-nach-oesterreich/visa/
(後略)
6か月以内の留学ではビザは発行できないし、ビザがないためドイツからの入国もできないということになります。
そのほか注意点
厳密に言えば鉄道での通過も入国となるらしく、オーストラリア連邦鉄道(OEBB)が運行するザルツブルクとインスブルック間の運行でもチェックが行われた場合もあるようです。経験からするとドイツ鉄道で中東系の人が書類検査を受けて連行されていったのは見たことがありますが、自分が書類の提示を求められたことはありませんでした。
また、エバー航空の便で行った際に、チェックイン時に90日以上の滞在なのにビザがないことを指摘され、査証免除について説明するも信じてもらえず……ということがあったので基本的にこの協定の知名度は高くないと思っておいた方がいいでしょう。
国内ですらこれなので90日滞在後にライアンエアーでイギリスに……というのもリスキーだと思います。(理論上は可能ですが)
6か月以上の場合
あまり詳しくはないのですが、在留許可があればその国の国民と同じように自由に移動できるようなので、以上の問題は発生しないと思います。