フィルムカメラを発掘したので使ってみようと思います。
準備
発掘したカメラのニコンEMは、ボロいバッグの中に望遠レンズと共に入っていました。カメラ本体は比較的綺麗でしたが、裏蓋を開けると劣化したスポンジが落ちてきたりレンズにカビが生えていたりしました。
特に厄介なのがカビで、カメラのレンズの内部にカビが生えると写りが悪くなり、しかも除去もかなり面倒くさいです。外のレンズについている程度なら無視できるのですが、本体に近いレンズにカビが付いていると写りに影響します。今回のレンズは、内部のレンズに少しカビが出てきていたので清掃してから使います。
そしてボタン電池とフィルムも必要になってきます。ボタン電池は大体百円ショップで売っているLR44で済むものの、フィルムはあまり見つかりません。少し前までは富士フィルムの業務用100が550円程度で売っていたようですが、生産終了してしまった今、試し撮りに使えそうなフィルムはフジカラー100(業務用と同じ物のようです)かKodak Gold200しかなさそうです。安くても24枚撮1本ですら650円はするので少々高い気がしますが、年々フィルムの売り上げが少なくなっている事を考えると妥当だと思います。
また、現像とプリントもしくはデータ化の段階でもお金がかかります。ビックカメラで富士フィルムだと現像660円+プリント936円で1596円(データ化すると1210円)かかります。コダックだと現像とプリントがセットで1100円なので少しお得ですが、Gold200の作例を見ると赤みが強い気がするのと、フジカラー100の作例だとよりシャープな感じがするのでこちらを選びました。
と言うわけで、古いカメラを使って写真を撮るには24枚で2000円程度かかります。また、レンズが汚れているので清掃する時間も必要になります。
レンズ清掃、フィルム装着
EMに付属していたNIKKOR 50mm 1:1.8はよくあるレンズらしく、ネットにも分解記事がいくつか上がっています。その中でもこちらの記事が一番参考になりました。
自分が使ったのはダイソーのミニカラードライバーとセリアで売ってる吸着シートです。実はレンズオープナー(もしくはゴム板)があれば分解しなくてもレンズを取り出せるのですが、最初のネジを取って分解するとなくてもレンズ止めを回して外す事ができます。その場合、ネジがとても固く破損させやすいので太い輪ゴムを噛ませてから回すと良いと思います。
黒いレンズ止めを外す事ができたら、吸着シートの吸盤を切り取り、割り箸の先につけてレンズを引き上げます。カメラの方から2つ目のレンズまでをこれで取り出せます。
ここまではできたのですが、前レンズはカニ目レンチがなく取り外せませんでした。前のレンズはそんなに撮影には影響しないので今回はこのままにしておきます。
このカメラの使い方はこちらです。記事に沿ってフィルムを装着します。装着後にレバーを引くとき必ず巻き戻しクランクが回るか確認しましょう。フィルムが外れたまま撮影すると悲惨なことになってしまうので……
撮影、撮影後
装着し終わったら適当なところを撮影します。そこで気づくのが、スマホよりも全然感度が低い事です。だいたい室内だと光量警告のブザーが鳴ってしまいます。もともと日中向けのフィルムなので屋外の日中に撮るといいと思います。
撮影後はフィルムを巻き戻してから取り外し、ビックカメラに持っていきます。カメラがおいてある階に受付カウンターがあるのでそこに出すと、3時間程度で仕上げてもらえます。仕上がり後の受け取りはいつでもいいようです。CD化を依頼すると現像済みフィルムとCD、インデックスプリントが貰えます。
撮った写真を確認すると光線引きが起きているものが何枚かありました。普通はカメラの蓋を途中で開けた際に出るのですが、そんなことはやっていないのでカメラの不具合だと思います。
以下に写真の例を載せます。
データ化の際にプロの人が調整してくれるおかげもあり、初心者でもそれなりに見栄えのする写真が取れたと思います。手振れ補正やピントの自動調整はないので、その二点には気を付ける必要があります。実際にピントが合っていない写真やぶれている写真が結構ありました。
最後に
フィルムカメラは、費用はデジタルカメラに比べてかかりますがデジタルにはない感覚、フィルム独特の色合いがあり面白いと思いました。
それと同時に、デジタルカメラの利便性を改めて感じました。